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あなたの中に、存在の奇跡を知る! 「#存在の証明」http://www.children-art.net/pkt-tamashin2018-kanran/

たましんRISURUホール(立川市市民会館)小ホールで9月1日、パフォーマンスキッズ・トーキョー ダンス公演「#存在の証明」が開催される。

「#存在の証明」は、小学生が「舞踏」の公演を行うもの。この公演の出演者募集記事を目にした時、「なぜ舞踏なんだろう」「子どもに舞踏がわかるの」「そもそも舞踏とはなんなのか」「難解で自分には理解できないんじゃないだろうか」。

そして「いったいどんな作品なんだろう」と気になった。

たくさんの疑問を抱きながら取材を申し込み、特別に公演準備中の様子を見学させてもらうことができた。

2018/09/01 (土) 2018/09/01 (土)
開催場所

たましんRISURUホール

2018.08.29

この公演は「アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)」と「NPO法人 芸術家と子どもたち」が行うパフォーマンスキッズ・トーキョーというプロジェクトの一環として企画されたもの。

 

このプロジェクトでは、様々なジャンルのアーティストと子どもたちが、10日間程度のワークショップを行ってオリジナルの舞台作品をつくりあげ、最終日に本格的な公演を行う。

 

今回は、ワークショップと発表合わせて9日間。

 

一般公募で選ばれた立川市内などの小学生、3年から6年までの子どもたち18名が参加している。

 

振付・構成・出演を担当するアーティストは、舞踏カンパニー「大駱駝艦」の舞踏手で振付家の田村一行さん。子どもたちからは親しみを込めて、「一行さん」と呼ばれている。

 

見学したワークショップ4日目は、本番と同じ舞台を使っての稽古だった。一行さんが言葉と身振りを使って指示を出すと、子どもたちはその通り動き、そして覚えていく。

 

何より驚いたのは、その速さと理解力だ。

例えば提灯を持って歩く動作がある。

普段ほとんど使うことがないであろう提灯を、はじめはみんなブラブラさせていた。

 

そこへ「ひいおじいちゃんの命を運んでると思って。とっても大事なものを運んでるんだよ」と説明されると、たちまち、姿勢、歩く速さ、顔つき、子どもたちがガラリと変わった。

「300歳のお年寄りになった感じで」

「仏像から、別の仏像に変わって」

 

次から次に繰り出される、大人なら途方に暮れてしまうような指示にも、子どもたちはすぐに、こんな感じかな?と応じてしまう。

 

また、ただ言われるまま動くだけでなく、ときには一行さんのアイディアに「それは嫌。カッコ良くない」とダメだしもする。

 

練習時間が残りわずかになり、「あと、どこをやりたい?」の質問に、「今までやったところ全部!」の答え。すべてをしっかり覚えており、思わず心の中で拍手をした。

 

作品全体のうち、できている部分を見せてもらっただけなのに、とても面白くドキドキした。

まるで民話のページが自然にめくれて、物語がほとばしり出てくるような驚き、楽しさ、そして怖さ。

 

「舞踏は難解で自分には理解できないかもしれない」。そう考えていたことなど、すっかり忘れて楽しんでいた。

 

残り全部を、音楽、照明、衣装まで全部そろった本番の舞台を、早く観たいと思った。

そして子どもから大人まで、年代を問わず、多くの人にこの作品を観て欲しいと思った。

 

この日のワークショップ終了後、振付・構成・出演を担当する田村一行さんにお話を聞いた。

 

〇立川の子どもたちの印象について

「反応が早くて、集中力がすごい。子ども向けというより、大人と一緒にやっているときと同じように舞台を作っています。時には子どもたちから、とんでもないものが返ってきたり。子どもは大人の先生なんです」

 

〇今回の作品作りについて聞かせてください

「今回は、僕がかなり振付を多めに準備して、面白いところを子どもたちと膨らませる、というやり方をしています。子どもたちは今後の人生で、おそらく舞踏に接する機会ってないでしょうから、とにかく思いっきり僕の振付を踊ってみて欲しい。そこからみんなが何を感じていくのか。いますぐじゃなく、10年20年後に気づくこともあるかもしれません」

 

〇「舞踏」は難しい、というイメージがあるのですが。

「わかろうとするから難しくなるんだと思います。同じ月や花を見ても、美しいと感じる人もいれば、汚いと感じる人もいる。誰かを思い出す人もいるかもしれない。感じ方、見方は人それぞれでいい。『舞踏なんて子どもにわかるの?』という人もいるけれど、大人ならわかるというものでもない。『こんなの舞踏じゃない』という人がいたら、『じゃあ舞踏って何ですか?』と逆に訊いてみたいものです。みんなと表現しようとしているものは、『舞踏』ではなく、それぞれの個性であったり、人生であったり、背負っているものなんです。むしろ子どもの方が、より純粋に感じとることができるし、子どもだからこそ、いま自分が生きてるってなんだろう、みんなに出会ったのはなぜだろう、と素直に考えられる。作品もそのこと自体をストレートに題材にしました」

 

〇「舞踏」について、子どもたちにはどんな説明をしたのですか?

「子どもたちにはまず、固定観念を捨てて、今までの価値観を忘れてみよう、という話をしました。どうすればいいかわからない、と思うのは、すでに正解を求めているから。例えば雨が降ってきたとき、喜ぶ人もいれば嫌がる人もいる。雨が降ったらこうする、なんて決まりや正解はない。うまくやらなくていい。表現しようとしなくていい。何でもいい。ただ立って存在していることが表現となるし、踊りになるんだ、ということを伝えています」

 

〇最後に公演の見どころを教えて下さい。

「子どもたちが、いままで見たことも体験したこともない『舞踏』という『へんてこな世界』をどう楽しむか。そして、僕からの『存在を証明するには?』という問いにどう答えを出すのか、ぜひお見届けいただければと思います」

 

 

■公演情報

パフォーマンスキッズ・トーキョー ダンス公演「#存在の証明」

生まれて笑っておどろいて、

遊んでころんであくびして…

人生には、自分にしかできない表現が満ちあふれています。

誕生以前の長い旅路を空想し、今いる自分を見つめてみる。

あなたはあなたの中に、存在の奇跡を知る!

~田村一行~

 

【日時】平成30年9月1日(土)午後3時 開演

【構成・振付・出演】 田村一行(大駱駝艦舞踏手・振付家)

【出演】 小学3年生~6年生の子どもたち 塩谷智司(大駱駝艦) 鉾久奈緒美(大駱駝艦)

【会場】 たましんRISURUホール(立川市市民会館) 小ホール

【アクセス】JR中央線・南武線・青梅線・五日市線「立川駅」下車 徒歩13分

【入場】 無料 ※全席自由/入場は当日受付順/未就学児も入場可

 

 

会場地図