東京・立川周辺のART＆CULTURE情報

ファーレ＝FARETとは

第一回は8月23日（火）、たましんRISURUホール会議室で開かれた。

講師はファーレ倶楽部のメンバー担当し、立川市、昭島市など近隣の方々10名ほどが講座を受けに集まった。

ファーレ地区は1977年の米軍返還決定から、商業・業務市街地して再開発され1994年10月13日にオープン。
「立川から芸術・文化のメッセージを世界に発信しよう」と、プロデューサーに北川フラム氏を迎えた。

名付けられた「ファーレ」とは、イタリア語で「作る、創造する、生み出す」の意味で、TACHIKAWAの「T」を末尾につけ「FARET」と表記。街区には109箇所の作品が街に溶け込むように配置された。

それぞれが車止め、点検口、水道栓などをアート化し、実際の作品に触ったり、座って楽しめるように工夫もされている。

初日はファーレ立川の背景から概要までが説明された受講者からは
「幼稚園時代にファーレができたころのイベントで北川氏と写真をとったことがある」
「ファーレ立川に来た際すてきな車止めに目をうばわれた」
なども質疑応答も活発に行われた。

プロジェクトマネージャー藤本俊幸氏がゲスト

第2回は8月30日（火）、たましんRISURUホール会議室で開かれた。
ファーレが出来た頃、北川氏のもとで街づくりに尽力した藤本俊幸氏がゲストに。
「高度成長期の勢いのある中で、いいものを目指していきたい」と熱い思いで、現場にいた人間として当時の苦労話など貴重な話が語られた。
藤本氏は「若いエネルギーでつくりあげていったと思う」と懐かしそうに振り返る。

現在もアートコーディネーターとして世界を舞台にアート計画をサポートしている。

最終日にむけて、受講者担当の作品それぞれ2点が発表され、説明原稿が手渡された。

いよいよガイド体験へ

最終日となる9月13日（火）、実際のガイド体験がファーレ立川の現地で行われた。

初めにアートツアー前の説明文を読み上げ、ツアーガイドを参加者みんなで共有。
北川氏の「3つの考え方」として
1つ目「世界を映す街」
2つ目「都市機能をアートに（ファンクションをフィクションに）」
3つ目「驚きと発見のまち」

がある。
この街を森にみたて、ここに生きづくアートたちを森に棲む小さな生き物や妖精たちにたとえている。

「この参加者に一番に伝えたいことは何なのか」
基本になる原稿はあるが、当日のガイドを依頼されたツアーの時間や天候、参加者の年齢層やその日の様子など様々な状況によって選択していくには実地の経験が必要だ。

作品は公道にあるため、ツアー参加者の安全に気をくばり、的確に解説を行う。

ファーレ倶楽部のメンバーは「無理なく・楽しく」をモットーに「できる範囲」で和気あいあいとした雰囲気のなか日々努力していた。
アート作品の清掃は環境にやさしい作品ごとに素材にあった洗剤やクロスにかえて丁寧に扱っている。

「芸術などと堅苦しく考えるのではなく、美術に詳しいわけでもない」。
「ただ作品を知ることで作品が輝きだしていくの」。
メンバーが話すその魅力に、私もはまっていってる。

ツアーガイドの入口にたったばかりで、これから経験をつみデビューまでは1年ほどかかるようだ。

最後に北川氏の言葉でツアーガイド養成講座は終了した。

「21世紀の都市文化の新しい例として出発したファーレ立川のアートたちを守り育てて下さい。
アートはそれだけでかそけき存在です。それを囲む人たちによって活き輝きます」。

ツアーガイドに興味のある人は、まずはアートツアーに参加してみるのがお勧めだ。

◆アートミュージアムデー2022秋
10月9日（日）　セレクトツアー
10月13日（木）　オープン記念ツアー

HP:https://www.faretart.jp/
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(取材ライター：近藤晴子)