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立川市民文化祭「市民文化フェスティバルバレエ公演」開催

たましんRISURUホール大ホールで2022年11月6日、立川市文化協会主催、立川市・立川市教育委員会・(公財)立川市地域文化振興財団共催によるバレエ公演 第一部「バレエ・モダンダンス」、第二部「くるみ割り人形第2幕」が催された。

2022.12.07

9人の女性が集結

第一部、立川市地域文化振興財団企画、芸術の秋はバレエにチャレンジ「大人のためのバレエ・ワークショップ・オン・ステージ」に応募した9人が出演した。
メンバーは今回はじめてバレエを踊る人、普段からスタジオで練習している経験者ら20代から60代女性が集まった。

講師はエトワールバレエスタジオ立川主宰、日本バレエ協会会員、Japan International Youth Ballet理事、立川洋舞連盟会員を務める五十嵐洋子さん。
フランスやドイツ留学の経験もあり、国内外で現役としての活動を続けながら、後進の指導や地域の文化振興にも意欲的に活動している。

 

本番2日前の練習

五十嵐さんから脚の位置や指先の向き、視線を送る方向、振り付けの細部に至るまで楽しくも厳しい指導が続いた。
時に笑い声も聞こえる中、ほとばしる熱気と汗が練習場に充満する。

より優雅に美しく見せるため本番衣装をまとっての練習。裾の持ち方を少し変えるだけで見栄えが変わる。

休憩時間になっても誰一人として休まない。硝子に自分の姿を映しポージングを確認する者、間違った箇所を繰り返し練習する者、そして輪になりお互いの動きや表現に意見を交わす。

通し稽古では、経験者が次のフォーメーションつくりのために声をかけお互いの動きを助け合う。
動作の一つひとつが磨きこまれ、9人の思いが綴られ舞台が創りこまれていく。

 

迎えた本番当日
いよいよ本番のステージが開幕。会場の空気感が変化する。
緊張と凛としたオーラが全開の9人。
トランペット吹きの休日の軽快なリズムにあわせ、それぞれの思いを繋げた本番が始まった。

バレエ初体験の白石愛さんは「普段はオペラをやっていて演じることも公演を見るのも好きです。

バレエは全く経験もなくダンスもやったことはありません。

でもバレエを見るだけでなく自分もやってみたいと思いこのワークショップに参加しました。

わくわく感一杯です。楽しんで踊ろうと思います」と意気込む。

メンバー最年長の鈴木洋子さんは「バレエは憧れでした。50歳過ぎの時に大人のバレエ教室で少しだけ体験しました。

最初は場違いの所に来てしまったかなと感じました。皆さん若いし経験者の方にご迷惑をお掛けしないかなと心配でした。

でも皆さん優しく本当に参加して良かったと思います」と振り返る。

講師の五十嵐さんは「私ができることは練習の時に声をかけるだけ。ステージにあがると彼女たちに任せるしかない。

指先や目線を少しかえるだけ、裾の持ち方をかえるだけ、手の動きひとつで優雅な振る舞いを演じられる。

よりよいものにするため練習中に振り付けを変更する。そうすると彼女たちが応えてくれる。

そしてまた私がより良くするために注文を出す。その繰り返し。より良いステージにするためお互いが先生」と語る。

アイコンタクトをとりながら軽快なステップが続く。9月から始まった全11回のワークショップの集大成のステージ。

9人の心がひとつになった姿は見る者を熱くした。ポージングの度に客席から舞い上がる拍手。

ステージ終了後に会った白石さんの満面の笑み、そして「楽しかったです」の一言が、今回の公演の全てを物語っているようだった。

(ライター:竹之内敬介)