「南極と北極を身近に」 子どもの好奇心、大人の探究心を刺激する科学館
国立極地研究所「南極・北極科学館」
国立極地研究所の広報展示施設である「南極・北極科学館」は、多摩モノレール「高松駅」から徒歩約10分のところにある。
後ろ足で立ち上がるホッキョクグマのはく製展示や、南極で実際に使われた雪上車をバックに写真を撮ったり、観測用に撮影したオーロラをドームで見上げたりと、ここでしかできない貴重な体験ができる(入場無料)。
ホッキョクグマは大人でも見上げる大きさ
雪上車は記念撮影の人気スポット
「氷はタイムカプセル」 地球温暖化の備え
入館してまず驚くのは、本物の南極の氷が置いてあることだ。触ることもできる。
この氷は観測隊が氷山の氷を削り取った後、段ボールにつめて観測船に乗せて持ち帰ったものだ。
南極の氷には、数万年前の空気や塵・雪ができた時の気温の記録が閉じ込められており、当時の地球環境を知るための貴重な材料の一つである。
(参考:南極の氷山の氷を日本に – 観測隊ブログ )
過去の地球の変化を知ることが、将来の地球環境がどう変化するかを知り、備えにもつながる。
国立極地研究所は昨年、創立50年を迎えた。
この間、南極基地を4か所で開設、オゾンホールを世界で初めて発見するなど、観測と研究において高い評価を得ている。
子どもの好奇心、大人の探究心を刺激する科学館、ぜひ一度訪問してほしい。
氷の中に見える泡は、数万年前の空気かもしれない
北極ってどんなところ?
クイズ:「花が咲くのは南極? 北極?」
① 夏になると花が咲くのは、南極? 北極?
② 住んでいる人がいるのは?
③ 昭和基地があるのは?
④ どちらが寒い?
⑤ 動物がたくさんいるのは?
※答えは最後に
サイエンスカフェ・こども向け体験学習も
最新の研究成果を分かりやすく解説する講座や、小中学生向けに実験・体験など工夫を凝らしたイベントが開催されている。
6月15日(土)にはサイエンストーク「北極海および北太平洋に存在するマイクロプラスチック」(高校生以上対象、要申込)を開催予定。
◆大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構
国立極地研究所
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3
(取材ライター:菊川綾子)
クイズの答え:①北極、②北極、③南極、④南極、⑤北極