
TACHIKAWA
BILLBOAD
コトブキヤホール
このシンポジウムは、新たな組織「東京多摩西部広域経済連携協議(略称:TTW)」が今年4月1日に発足することを受け、キックオフイベントとして実施。
当日はTTWの事業説明をはじめ、各地域で活躍する事業者らによるパネルディスカッションなどが催され、観光関連などの団体、事業者ら約150名が参加した。
「東京のインバウンドの現状と可能性」と題した基調講演では、株式会社ジェイノベーションズ代表の大森峻太さんが登壇。
関東学院大学国際文化学部の客員准教授も務め、インバウンドの専門家として行政などのアドバイザーなども務める大森さんは、日本全体の数値データ、23区部のインバウンドの現状などを説明し、東京西部の今後の可能性について具体的なツアー事例などと共に紹介。
「新宿など、すぐそこに多くのマーケットがある。リピーターで、新しい体験を探しているインバウンド層には、きっと多摩地域のコンテンツは刺さっていくはず」と、今後の東京西部の可能性について語った。
前半のパネルディスカッション「東京・西部の「食と文化」~世界を魅了する可能性」では立川のAuberge TOKITO総合プロデューサー・石井義典さん、御岳山観光協会会長で宿坊うつぼや荘の主でもある靱矢正さん、日本各地の古民家の再生や、商業施設にするための総合プロデュースを行っているあきる野市の黒茶屋代表・髙水謙二さん、奥多摩の荒澤屋旅館代表・荒澤貴さん、檜原の兜屋旅館代表・岡部敬祐さん、日の出の武家屋敷管理者・久保田武男さんが登壇。
立川とニューヨークを拠点に、訪日外国人向けのツアー企画やPR、コンテンツ制作を手掛けるミータイム代表取締役・渡邉斉子さんがファシリテーターを務め、進行した。
それぞれの施設が持つ文化的な資源や料理の物語、 また各地域で事業を行っていく中、大切にすべきあり方などが語られ、多摩地域の魅力は、都心に近い豊かな自然と多様な文化。
そして地域を良くしようと行動する、そこに住む人々の存在が大切など、新しい価値創出のヒントについて口々に語られた。
後半のパネルディスカッション「アートによる広域連携の可能性語る」には立川市地域文化振興財団事務局長・ファーレアート管理委員会の足立香織さん、立川の紙製品の開発、製造、販売を行う福永紙工代表・山田明良さん、立川の映画館シネマシティ代表・川手佑吉正さん、奥多摩で様々なアート企画に携わるせせらぎの里美術館ディレクター・鋤柄大気さん、あきる野・檜原エリアで行われているアート企画「あきがわアートストリーム」ディレクター岡田智博さん青梅の映画館「シネマネコ青梅」代表・菊池康弘さんが登壇。
舞台演出家で、立川シアタープロジェクト実行委員長、立川市文化芸術のまちづくり協議会企画運営委員なども務めるたちかわ創造舎ディレクター倉迫康史さんがファシリテーターを務め、進行した。
各地域で取り組んでいるアートや文化イベント、事業などの紹介からはじまり、自治体との連携や地域内で取り組む上での限界、また課題なども切実に語られ、画一的な街になっていく中、よりアートや文化の発信や取り組みは、地域の魅力創出の上でも欠かせなくなるなどと、今後の連携に期待が高まった。
その後開かれた交流会では活発な交流が行われ、具体的な連携のアイデアなども活発に交わされた。
「東京多摩西部広域経済連携協議(TTW)」は今後、様々な広域連携の施策に継続的に取り組んでいく。
(取材ライター:高木誠)