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「ドラマチック商店街ツアー」立川の歴史とグルメを味わう

10月7日(金)に行われた第二回立川市商店街連合会主催の商店街ツアー。

芸術文化の創造拠点である「たちかわ創造舎」が企画に協力し、劇団に所属する舞台俳優が案内を行った。

集合場所のモノレール高松駅に現れたのは、赤の衣装の岩坪成美さんこと「つぼ」さんと、黄の衣装の岩倉真彩さんこと「まーや」さん。
あいにくの冷たい雨だったが二人の明るい笑顔で、初対面だったツアー参加者も和んだ雰囲気となり、ツアーが始まった。

2022.10.12

特別に、戦前に建てられた給水塔の中へ

駅の階段を降りると右手に現れたのが立飛ホールディングス敷地内にある給水塔。

通常は入れないエリアだが、今回のツアーでは特別に中に入ることが出来た。

灯台のようなコンクリート4階建ての最上部に、水が入っていたという古い建物で、高さはモノレールの駅と同じほど。歴史を感じる戦前の建物だが、平成17年ころまで使用されていたという。

廃墟感ただよう1階部分で、参加者たちは記念撮影を行っていた。

地域を守る熊野神社

旧米軍ハウスを抜け、熊野神社へ。

三代目神職の都築さんより神聖な拝殿の中で話を聞いた。参拝も行い、厳かな空気が漂う。

和歌山熊野本宮の分社であり、境内の幟にはサッカー日本代表のシンボルでも有名な八咫烏がある。

敷地内には小川も流れており、風情のある雨の参道を歩いた。

 

立川生まれのクラフトビールを世界へ

立飛麦酒醸造所が出来たのは2021年12月。
西国立にあった「カミカゼビール」を継承し、新たな地でのクラフトビールとして誕生した。

毎年1回イギリスで開催され、各国のベストビールを決めるコンペティション「World Beer Award」で、すでに受賞もし、世界的な評価も受けている。

定番ビールの「PALE ALE」、女性に人気の「WEIZEN」、ビールの王道「PILSNER」
などが並ぶ中、ツアー特典として1杯が提供された。
新発売の「BELGIAN WHITE」は原材料に小麦とオレンジピール、コリアンダーが使われ、クリアーな見た目の香り豊かなビール。参加者たちは、ほんのりとしたほろよい気分で次の見学地へ向かった。

まちのお米屋さん「横町屋」 好みのお米を見つけよう

高松町商店街にある米屋「横町屋』。店を入ると玄米の袋が並び、米のよい香りがする。

店主の栗原さんは3代目。北は北海道から南は九州まで20種類ほどの米を販売している。

ツアーでは新米の食べ比べを。提供されたのは新潟県魚沼産コシヒカリと茨城県産ふくまる。

米の粒一粒一粒が滋味深く、日本人でよかったと感じるひと時を参加者たちは味わった。

購入した玄米は、その場で精米もしてもらえる。

アライ写真館で「写真の撮られ方」ミニ講座

大正15年創業の老舗店舗「アライ写真館」。4代目の新井さんが講師となり、ガイドの「まーや」さんと「つぼ」さんをモデルとして、立ち姿と椅子に座っての「綺麗な写真の撮られ方」講座が開かれた。

ポージングの仕方では、「前からみて1本足に見えるように後の足に重心をかけ腰をおとす」「姿勢をよくするために胸をはるというより、お腹を凹ます感じで。上から引っ張られるように」「椅子に座る際は深くかけず、背もたれ部分が少々見えるように」「正面より斜めの方向が綺麗に見える」などが語られた。

アドバイスの前と後では映りが違うことを実際に見た参加者たちは納得の表情を見せた。

人と人をつなぐ パティスリー「ツナグ」

木のぬくもりのある店内を入ると色とりどりの映える菓子。

パティシエの長谷川さん夫妻が出迎えてくれた。

季節の果物を使った菓子や焼き菓子の中で、特に参加者に評判だったのが、テレビでも紹介された飲めるプリン『とりっぷりん』。

立川市西砂町の伊藤養鶏場から仕入れた、貴重な烏骨鶏の卵を贅沢に1個使用し作っているという。

トロトロとしたプリンで、カラメル部分との絶妙なバランスが虜になる味わいだ。

立川伊勢屋の焼き立てみたらし団子

洋菓子のあとは和菓子。伊勢丹、ルミネにもお店が入る高松町の立川伊勢屋本店へ。

二代目店主の妻・小林さんから提供された、焼き立てみたらし団子を茶と共に味わう。

驚く焼き立て数分のお団子の柔らかさに参加者は驚きの表情を見せる。みたらし餡とのからみが絶妙で、温かいお茶がツアーで冷えた体を温めた。

立川限定のアニメとのコラボでの和菓子や未公認キャラ「ウドラ」のどら焼きなど

も。小林さんは「いなり寿司もお薦めです」と話す。

『立川キネマ跡地』映画の街立川はここから

立川には「シネマシティ」をはじめとし、「Kino cinema」「TOHOシネマズ」と映画館が複数あり、映画の街として定着している。

その始まりは大正14年高松町にあった。現在では駐車場になっている場所だ。

シネマ通り商店会からパネルにして丁寧に紹介されたが、あいにく大雨。立川の歴史としてまた、機会があれば話を伺いたい。

やきとり玉屋で、「お疲れ様」の1杯

解散地はやきとり玉屋。

カウンター席の前には炭火の焼き台が。ガラスケースの中には新鮮なこだわりの鶏肉、野菜が並ぶ。

玉屋自慢のポテトサラダにはらっきょうが入り、酸味がポテトとあいまって絶品。
すっかり仲良くなった参加者たちはビールを飲みながら、焼き鳥が焼けるのを待つ中、「立川っていいところ」「商店街って古くて新しい」「お店を知って人と人との関わりが心地よい」などツアーの感想を思い思いに話す。

参加者の中には遠くスカイツリーの近くから来た人もいた。

明るい舞台俳優、二人の楽しいガイドで、基地があった町立川の歴史を紐解き、知っているようで知らない新しい立川の魅力を再発見した午後だった。

盛りだくさんの企画で参加費は1000円。お土産にcocokaraのクッキ―付き。第三弾も期待したい。

(取材ライター:近藤晴子)