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茂井健司:Shigei kenji現代美術家

[出身]高知県
[経歴]東京芸術大学大学院美術研究科油画卒。ある「場所」とそこに立つ「人」との間、その間にある「つながり」や「コミュニケーション」をテーマに、ガラスや鏡など「写す」「映す」「移す」素材を用い、インスタレーションやワークショップなどを行う現代美術家。

2016.03.15

内側と外側、そして境界。石田倉庫にアトリエを構えて26年の現代美術家。

「透家」2013.9.20 at Gallery Nakamura

「透家」2013.9.20 at Gallery Nakamura

 

まずはじめに、作る場所を歩く。歩いているうちに、自分のやりたいことが見つかる。

茂井健司さんのアトリエの中にはぐるりと、大きなガラス、ベニヤ板、ダンボール、それから人形の段ボールが壁に立てかかっています。どんな作品を作っている方なのでしょうか。一番奥の隙間から顔を出しているのが、茂井さん。石田倉庫にアトリエを構えて26年の現代美術家だ。

茂井さんは、ある「場所」とそこに立つ「人」との間、その間にある「つながり」や「コミュニケーション」をテーマに、ガラスや鏡など「写す」「映す」「移す」素材を用い、インスタレーションやワークショップなどを行っています。

「内側と外側、そして境界に興味があるんですよね。作品づくりは、その展覧会の行われる場所で行います。まずはじめに、作る場所を歩く。歩いているうちに、自分のやりたいことが見つかる。例えば水と縁のある場所なら水を使おう、廃材があるなら廃材を使おう、くぼんでいるならくぼみに穴をあけようという具合に。そこからイメージを固め、形にしていくんです。」

高く・低く・遠くへ・近くへ ―」

高く・低く・遠くへ・近くへ ―」

 

水と光を用いたガラスと鏡の構造体の公開制作。地域と人と一体となって。

新潟市中央区にある空き店舗を活用したアート・コミュニティスペース「フルマチ・アートスタジオ」では、1ヶ月にわたる水と光を用いたガラスと鏡の構造体の公開制作と、「色あそび・色のひろがり・いろ色」をテーマにしたワークショップを展開した。茂井さんの作品は、人と空間、空間と地域へとつながっていく。

ワークショップでは、子どもたちが実際に商店街のお店に行き、お店の色をイメージ、各店舗のロゴやマークを建物の形をしたオブジェに着色。最後に、公開制作制作したガラスと鏡の構造体の上に、そのオブジェを並べた。作品の上を歩いたり、下に入って見上げることのできる構造物。水との関わり、水への思いを馳せ、この場所にふさわしい表現を体感。まさに、地域と人と一体となって作り上げた作品となった。

森の人に大変身! 立川文化芸術のまちづくり協議会 ワークショップ×ワークショップ

森の人に大変身! 立川文化芸術のまちづくり協議会 ワークショップ×ワークショップ

 

地元立川市での親子向けの「ワークショップ×ワークショップ」

最近は、アトリエのある地元立川市でも、立川市子ども未来センターや昭和記念公園などで、親子向けのワークショップを行っている。2014年開催の立川文化芸術のまちづくり協議会主催の「ワークショップ×ワークショップ」では、「森の人に大変身!」と題し、段ボールに君の型を抜き取って、色をつけて森の人に変身しよう!というワークショップを行った。2015年の「ワークショップ×ワークショップ」、でも、茂井さんは企画運営者として参加した。(「ワークショップ×ワークショップ」の詳細はこちらhttp://www.t-fes.com

アトリエ展出品作品(2014)

アトリエ展出品作品(2014)

また、ここ数年の石田倉庫のアトリエ展では、茂井さんのアトリエには、鏡に無限の自分も映りつつ、鏡越しに相手が見え、映り込み混じり合う不思議な部屋を公開している。作品についてお聞きすると「部屋を真っ暗にして懐中電灯を持って入るような感じで…。自分自身も自分の創る作品に対して未知の状態なんですが…。そうですね、乞うご期待!って、書いてください(笑)」との返事が。 茂井さんのインスタレーション作品は、百聞は一見にしかず。石田倉庫のブログなどで展覧会情報をチェックして、ぜひ、体感して欲しい。