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立川子ども劇場 50周年イベントでは新会員も大募集!クラウドファンディング実施中

立川子ども劇場は、舞台芸術に限らず、ものづくりや、アート、自然とのかかわりを通じて、地域とつながる親子コミュニティだ。

1974年から50年、「みる」「つくる」「あそぶ」の3つの活動を軸に、親子の居場所づくりに取り組んできた。

その記念イベントが10月12日に立川駅北口・サンサンロード周辺にて行われる。

今回の50周年記念イベントを機に、新会員の獲得を目指しており、クラウドファンディングにも挑戦する。

2024.07.25

未来を動かす新時代の子ども劇場
6月30日、立川市子ども未来センターの協働事務室で50周年記念プロジェクトメンバーによる会議が行われた。

会議に先立ち、NPO法人立川子ども劇場代表理事の小濱尚子さんは、自身も幼少期にこの団体で育ってきた一人だと語ってくれた。

その後、子育てをする立場になって、自分がしてきた多くの体験を我が子にもさせ、子育ての先輩たちから育児のアドバイスを得る親子の居場所として活用してきたそうだ。

小濱代表理事

日本社会において、共働き世帯がメインとなった現在、子ども劇場に求められるものも変化している。

子育て世帯が多かった頃には、子どもを中心に活動する大人たちの姿はどこにでも見られた。

立川子ども劇場でも、最盛期には1,700人を越える会員数だったが、現在は急速に減ってきている。

立川の親子や親同士のつながりを温かいものにしてきた同法人の活動を存続させるため、「今動かないと!」という思いから代表を引き継いだそうだ。

クリスマスのオーナメントづくりをする活動の様子
昭和から平成を経て、令和の子育てに変わる中で、社会の変化に伴い、様々な課題と向き合う必要に迫られている。

現在は「特に休日の過ごし方に注目が集まっている」と、働きながらの育児経験からも感じているそう。
デジタルが身近な今の時代だからこそ、休日を活用して、子どもたちが本当のアートと触れ合い、自ら手を動かしてものを作り、時には自然の中で仲間たちと過ごす活動を親子で楽しむ需要は高まっているという。
小濱さんは、「子ども劇場の良いところを受け継ぎ、新しい時代の新しい育児に寄り添う場となれるよう、仲間と力を合わせて改革しているところだ」と笑顔で語ってくれた。

時間になると協働事務室には、次々と50周年記念プロジェクトメンバーが集まり、リアルとオンラインのハイブリッドな会議が始まった。

「ロバの音楽座」との縁と「立川子ども劇場」の50周年
10月12日に立川駅北口・サンサンロード周辺にて開催される公益財団法人立川市地域文化振興財団主催の「ファーレ立川アートミュージアム・デー2024」の中に、立川子ども劇場の「50周年記念プロジェクト」は含まれている。

今回の企画では、「ロバの音楽座」のアーティストが、子どもたちといっしょに創作楽器を作るところから一緒に関わり、その楽器でコンサートをしたり、パレードをしたり、濃密な芸術体験ができる。

「ロバの音楽座」舞台の様子
立川に拠点を置く「ロバの音楽座」は、今では見ることも珍しい古楽器や自分たちが創作した空想楽器を使い、夢幻的な合奏や劇を行うアーティスト集団だ。

近年、TVメディアや映画音楽にも携わり、独特の世界観によって唯一無二な存在として異彩を放っている。

立川子ども劇場は、様々な団体と子どもたちのための企画を行ってきたが、同じく立川で舞台芸術や音楽を通じて文化発信をしてきた「ロバの音楽座」との関わりは深いそうだ。
50周年プロジェクトメンバーの松尾りつさんは、現在、孫たちを立川子ども劇場に通わせている。

彼女自身の子育て中に、立川子ども劇場を通じてロバハウスを拠点とする「ロバの音楽座」と出会ったという。

本物のアーティストのふれあいは、親にとっても充実した体験であり、子どもとの大切な思い出にもなったと、会議の合間に、当時を振り返り語ってくれた。

表はお面、裏は太鼓の創作楽器
コロナ禍において、小さな子どもたちでさえ、ステイホーム、マスク着用、人との距離をとるといった非常事態の中で成長してきた。

小濱さんは、その中で、リアルなふれあいや体験の重要性を再認識したという。

そこから、子どもたちにリアルな体験を届けるコミュニティを存続したいと、この50周年の企画が生まれたそうだ。

プロジェクトメンバーたちの熱い思いは、主体的に時間や労力を注ぐ原動力となっているようだった。

新しい仲間の募集とクラウドファンディング
次世代型のコミュニティとして変化していくためには、SNSやWEBサービスを活用することも必要だ。

今回のプロジェクトメンバーの社会経験や育児経験を活かし、それぞれの持つスキルによって作業の効率化も進んでいる。

実際の会議中も、それぞれができることを持ち寄って和気あいあいとプロジェクトを推進している様子が見て取れた。

会議中は和気あいあいとした雰囲気
今回の会議で中心的な話題であったのは、新規会員の獲得だ。

そのため周年記念のイベントを行うが、非営利の団体である子ども劇場は、会費制(月額:2500円~)で運営され、会員数が運営費に直結するため、イベント資金を集めるには厳しい状況だ。

そこで、50周年の節目のイベントによって新規会員を大募集することと合わせて、クラウドファンディングの仕組みを利用して様々なメニューを用意している。

クラウドファンディング募集 スライド抜粋
すべてのイベントに参加するための、「50周年記念イベント思いっきり満喫プラン」(10,000円)は、事前に行われる楽器作りのワークショップと、当日コンサートとパレードが含まれる。

上記に加えて半年間のお試し会員の費用が含まれたプラン(15,000円)もある。

様子を見ながら参加したい親子にはお試し期間の設定は嬉しいだろう。
それだけでなく、寄付を募る目的もある「法人・団体様おすすめプラン」(50,000円~)も、地元の子育て支援に貢献したい企業に注目してほしい。

劇場HP・イベントチラシに協賛企業として広告掲載が可能で、鑑賞会に所属社員または関係者親子5組ご招待といった特典もあるそうだ。
「とにかく共感!とことん活動応援プラン」では、一口3,000円から賛同者の寄付が可能だ。

応援方法や、条件・詳細については、URL: https://for-good.net/project/1000930で確認できる。

興味を持った人はぜひ、覗いてみてはいかがだろう。

プロジェクトメンバー集合写真
子どもたちも参加した今回の会議は、未来についての話が多かったように思う。

子育てという正解のない毎日を、明日に向かって親も子も仲間と一緒に乗り越えていくという、そんな昭和も令和も変わらない理想の居場所が、ここにはあるのではないかと感じる時間であった。

立川の子育てを、文化的活動を通じて支援してきた立川子ども劇場の活動に関わる手段はいろいろとありそうだ。

◆立川子ども劇場
クラウドファンディングサイト:https://for-good.net/project/1000930
HP:https://tachikawakodomogek.wixsite.com/website/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
Instagram:https://www.instagram.com/tachikawa_kodomogekijo?igsh=bzV2MmdpMGdlbGFyhttps:/
FB:https://www.facebook.com/tachikawa.kodomo.gekijo?locale=ja_JP

(取材ライター:設樂ゆう子)