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立川「絵とことばの美術館」PLAY! MUSEUMで 「ふたり 矢部太郎展」が開幕https://play2020.jp/article/taro-yabe/

お笑い芸人で漫画家のカラテカ矢部太郎さんの初の大規模展覧会が、立川の巨大複合施設GREEN SPRINGS内にあるPLAY! MUSEUM(プレイミュージアム)で4月24日からスタート。開催は7月7日まで。

シリーズ累計120万部を超える大ヒット作品となったデビュー作『大家さんと僕』(新潮社、2017年)のユニークなインスタレーションをはじめ、展覧会のために描き下ろした約100点のアクリル画も展示される。

2024/04/24 (水) 2024/07/07 (日)
開催場所

PLAY! MUSEUM

2024.05.08

会場に立つ矢部太郎さん

父のまなざしで描かれた矢部さんの成長記録も

左からPLAY! MUSEUMプロデューサー草刈大介さん、矢部太郎さん、空間・ビジュアルデザインを担当した樋笠彰子さん。「世界初」回転式のフォトスポットとともに

会場風景より、「たろう」が「矢部太郎」になるまで

会場に入ると、まずは矢部さんの幼少期から46歳となった現在までの活動を見ることができる。

矢部さんは、東村山市の絵本・紙芝居作家のやべみつのりさんの第二子として誕生。

絵を描くことを生業とする父・みつのりさんの背中を見て育った矢部さんにとって、幼い頃からものづくりは身近なものだった。
小学生になると、文章やイラストを添えた「たろうしんぶん」も発行。

コピーして祖父母や親戚に送られていたという。

会場風景より、たろうしんぶんでは姉の光子さんにも「取材」

本展覧会では、父・みつのりさんの育児絵日記「たろうノート」の一部も初公開。
父のまなざしで描かれた矢部さんの成長記録であるだけでなく、当時の東村山市に暮らす作家の生活もうかがい知ることができる。
矢部さんはノートを通して、これまで知り得なかった父の姿と初めて出会った。

そうして制作されたのが、大家さんシリーズに続く作品、『ぼくのお父さん』(新潮社、2021年)。
「大家さんって自分なりの楽しみ方や喜びを持って生きてらっしゃる方で、すごく素敵で。そこを僕なりに描かせていただいて。父もそういうところがいっぱいある」と振り返る。

会場風景より、「たろうノート」の一部

会場風景より、幼い頃父・みつのりさんが運転する三輪車の後ろのカゴから見た東村山の景色も再現

会場風景より、『大家さんと僕』の世界が広がる

人気漫画『大家さんと僕』 新たな形で追体験

会場を進むといよいよ『大家さんと僕』の展示会場へ。
本展覧会では、デジタル環境で描かれた作品が、どのような形で展示されているのかも大きな見どころのひとつ。

アナログ作品と違い、デジタルならではとも言える展示方法に注目したい。

通常、漫画作品の展覧会では原画が飾られることが多いが、「原画の良さはあるが、作品(をストーリー)として楽しむとなると難しい部分もあると思っています。今回は新しい試みとして上手く行ったと思う」と矢部さん。

『大家さんと僕』』の階段下の「あのシーン」を再現したインスタレーションや、矢部さん自らナレーションを吹き込んだ紙芝居など、作品の世界観を新たな形で追体験できる。

会場風景より、この階段はまさか…、来場者が近づくと驚きの仕組みが

会場風景より、本展のために描き下ろされた約100点のアクリル画

展覧会の終盤では、矢部さんが本展のために描き下ろした、約100点のアクリル画を展示。

『大家さんと僕』の印象的なシーンの数々を思わせる作品たちを見ることができる。
優しい筆致で描かれた、矢部さんと大家さんのかけがえのない日々。

作品ファンには嬉しいお馴染みのシーンもあるが、ファンならずともふたりの温かな日常に惹き込まれるだろう。

会場風景より、大家さんが「実は苦手」なうなぎのシーンも

会場風景より、大家さんにもモテモテ、後輩芸人のちゃーんさんとの草むしり風景

会場風景より、最新作『プレゼントでできている』をテーマとした展示

作品の空気感をそのままに、日常使いしやすいグッズも

展示の最後は、最新作である『プレゼントでできている』(新潮社、2024年)を中心として、近年の作品がテーマとなっている。
『楽屋のトナくん』(講談社、2022、2023年)や認知症の専門医である長谷川嘉哉先生の著書を漫画化した『マンガ ぼけ日和』(かんき出版、2023年)などの展示パネル、矢部さんの貴重な私物なども見ることができる。

その他、『プレゼントでできている』では登場しない、芸人の矢部さんらしい「トホホ」なプレゼントも。是非会場で確認してほしい。

会場風景より、貴重な手塚治虫文化賞短編賞のアトム像も展示

会場風景より、それぞれインドと京都でもらったユニークなプレゼント

会場風景より、デザインの素敵なオリジナルグッズが揃う

PLAY! MUSEUMと言えば、展覧会グッズやオリジナルのカフェメニューも見逃せない。

本展覧会では、矢部太郎作品の空気感をそのままに、日常使いしやすいグッズが並ぶ。

大家さんの「おはぎポーチ」や明太子のサコッシュの他、本展のために描き下ろした、漫画「昼寝姫」を掲載した図録などを購入できる。
また、カフェでは矢部さんと大家さんのお食事会を思わせる、限定メニューも楽しめる。
どこからともなく「はぴばすでい やあべさあん」と聞こえてきそうな、和菓子セットも登場。

作品の延長線上のような、ゆったりとしたお茶の時間を過ごせそうだ。

併設カフェ、はぴばすでい和菓子セット 1,350円(本展ではカフェのみの利用可)

会期中は、矢部太郎さんが即興で絵を描くイベントも開催予定。

詳細は後日PLAY! ウェブサイトで発表される。

緑豊かなこの時期にお散歩がてら、矢部太郎との「ふたり」の世界を味わいに行こう。

PLAY! MUSEUMは立川のGREEN SPRINGSの2階(写真の階段上)に位置

ふたり 矢部太郎展
会場: PLAY! MUSEUM(東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 棟 2F)
会期: 2024 年4 月24 日(水)―7 月7 日(日)
休館日:会期中無休
開館時間:10時~17時(土日祝は18時まで/ 最終入場は閉館の30分前まで)
入場料:一般 1,800 円 、大学生1,200 円、高校生 1,000 円、中・小学生 600 円、未就学児無料ほか
※ PLAY! MUSEUM、PLAY! PARK利用時、立川市在住・在学の方は確認書類の提示で立川割が適用されます。
立川割の詳細はこちらから https://play2020.jp/article/waribiki/
展覧会公式サイト:https://play2020.jp/article/taro-yabe/

(取材ライター:Mitsugi Ito)