立川子ども劇場50周年イベント ロバととびっきりフェスティバル 青空に延びるパレードの列https://tachikawakodomogek.wixsite.com/website
10月12日、立川子ども劇場は50周年記念イベントとして「ロバととびっきりフェスティバル」を実施した。
快晴の空の下、パレードがスタートする。大人も子どもも、100人近い人が行進し、大盛況だった
このイベントのために実施したクラウドファンディングは多くの支援者を集め、130%を達成。
事前ワークショップと午前中のワークショップで作られた自作空想楽器を手にした参加者だけでなく、コンサートの観客も一緒に青空の下を歩き、行進の列は長く延びた。
当日のコンサートとパレードの様子をレポートする。
秋空に響くノスタルジックな音色
サンサンロードで開催された、ファーレ立川アートミュージアム・デー2024秋の一角に設置された立川子ども劇場のブース
この企画は、主催の立川子ども劇場の50周年記念イベントとして、ロバの音楽座とのコラボレーションによる楽器作りワークショップ、野外コンサート、パレードの3つのイベントを合わせたものだ。
野外イベントということで、準備中から天候が心配されたが、当日は、快晴の空の下でイベントは実施された。
午前中のワークショップで作った楽器を吹いてみせる参加者。後ろに立てかけられたムラドクスマは、表は自由にデザインした仮面で、裏には音の出る仕掛けがつけられたドラムになっている
ロバの音楽座の野外コンサートは、立川高島屋S.C.の大きなアートモニュメント、赤い植木鉢の横に設置されたステージで行われた。
午前中のワークショップ「空想楽器ブンパカパッパ」を手に、前方のシート席に子どもたちが集まってくる。
時間になると、代表理事の小濱尚子さんが、ベルを鳴らし開演を伝える。
子どもたちは、そのベルを聞いて、これから起こる出来事にわくわくした様子で、静かに前を向いていた。
小濱代表理事のベルの合図で子どもたちの集中力が高まる
ステージ上に現れたロバの音楽座は子どもたちの目を見ながら、ステージへの期待感を高める。
見たこともない楽器が奏でる音楽は、どこか懐かしく素朴な響きで人々を魅了していった。
時間が経つにつれ、参加者たちはロバの音楽座の世界に誘われ、野外ステージは一つになっていく。
子どもたちに向かって音楽を奏でながら前進するパフォーマンス。野外ステージがロバの音楽座の世界に変わっていく
アーティストと一緒になって楽器を演奏する参加者たちは、音楽を楽しんでいる
後半になると、ロバの音楽座の声掛けで、手作り楽器を鳴らして、合奏に参加すると、みなそれぞれに音楽を楽しみ始める。
子どもだけでなくクワークショップに参加した大人たちもブンパカパッパを吹き鳴らし、音楽に参加していた。
パレードの音楽に合わせて練習する参加者たちは、みな一生懸命だ
コンサートが終了し、そこからパレードの準備が始まる。
ロバの音楽座座長・松本雅隆さんの掛け声に合わせてさらに練習をするうちに、みな、だんだんと音を出すのも上手になった。
進むほど延びていくパレードの列
人が集まってパレードは始まった。
一定のリズムで音楽と一緒にフェスティバルの中を練り歩く。
パレードには当日声をかけた親子も加わって、一緒に歩き始める様子も見られた。
参加者の間にはロバの音楽座が入って一緒になってパレードを盛り上げてくれる
だんだんと長くなる列、初めの折り返し地点で笑顔で手を振り合う様子
それぞれ個性のあるムラドクスマはパレードをにぎやかに盛り上げる
太鼓の音と手作り楽器の演奏は、フェスティバルに来ている一般客の目を引き、注目を集める
緑の間にある二度目の折り返し地点。好きな音を鳴らして笑顔で通り抜ける
ゴール地点ではみんなでパレードを達成したことを称え合う。出発する時よりももっと結びつきが感じられる瞬間
出発地点に戻った参加者は、それぞれに拍手をして喜び合った。
たくさんの人に見られることで、自信をつけてストリートをステージにできた達成感を得てみな満足そうな顔をしていた。
飛び入りのパレード参加者も、一緒になって笑顔を見せ、イベントの成果が結実した瞬間だ。
安心して楽しむ自由な空間づくり
50周年イベントの成功を祝して、ロバの音楽座と一緒に記念撮影。世代を超えたつながりがここにある
代表理事の小濱さんは、当日の朝起きて快晴だと知り成功を確信したと語ってくれた。
これまで、実行委員を中心に初めてのクラウドファンディングの立ち上げなど、多くの時間をかけ、知恵を絞ってきた結果、今日という日を迎えられたのだろう。
子どもたちを見守る実行委員たちの笑顔は、初めてのイベント参加者でも安心させてくれる
小濱さんは、子どもたちがステージでもパレードでも集中力を発揮できたのは、彼女たちの育んできた立川子ども劇場のスタイルがあったからだと語ってくれた。
単なる子ども向けのお楽しみではない場を作るには、必要以上に行動に制限をしない、子どもの集中力に合わせてプログラミングする、大人から率先して本気で楽しむといった、姿勢があるという。この団体は、50年の歴史の中で、自分たちらしく子育てを楽しむためには、親にも子にも安心できる場づくりが大切だと実感してきた。
立川子ども劇場50周年の記念すべきイベントとしてふさわしい、心から笑う親子の姿が見られた。
■NPO法人立川子ども劇場
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(取材ライター:設樂ゆう子)