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長井 克倫 : Nagai Katsumichiグラフィックデザイナー/ゴリポポレコード店主https://www.instagram.com/goripoporecords/

急な階段を下りていくと、秘密基地の様な部屋にたどり着く。
一橋学園駅からほど近い場所にある、知る人ぞ知るレコード店「ゴリポポレコード」。

店名である「ゴリポポレコード」は店主である長井さんが作り出した、ゴリラとたんぽぽの造語。
「レコードはかさばると重たい。
力持ちの象徴のイメージがあるゴリラと、ふんわり飛んでいくたんぽぽの綿毛。
そのゴリラがたんぽぽの綿毛にレコードを付けて飛ばしているそんな感じ!ふわっと、皆さんの元にレコードを届けられたら」との思いが込められているという。

2026.01.16

「どうしようから始まったグラフィックデザインの道」
「高校を卒業して、バンタンデザイン専門学校でファッションデザインを学んでいたのですが、進級出来ず『どうしよう』となり、飛び込みでいったデザイン事務所に『レコードのジャケットがすごく好きで興味がある』と伝えたらアルバイトで採用してもらえて、グラフィックデザインの仕事に進みました。

その後、別のデザイン事務所で出会い仲良くなった先輩がエンタメ系の事務所に移ったのですが、しばらくして、その先輩が僕のことを誘ってくれたんです。

それを機にエンタメ系の広告代理店に移り、広告デザインやCDジャケットなど様々な仕事をさせて頂き、21年程在籍いたしました」と穏やかな口調で話しだす。

シーナ&ロケッツの鮎川誠さんが選んだ往年のブルースのコンピアルバム

「色校正を鮎川さんの元に持っていった時。なんと、シーナさんがコーヒーとケーキを出してくださったんです」という

長井さんが手掛けた思い出深いジャケットデザイン

「立ち止まりからの始まり」
「東日本大震災があった後で色々考え直す事があり、何かボワんと思うことが色々重って…。

これからの自分とデザインの事や以前から好きで集めていたレコードでお店を出来たらいいなーなんて思いつつ。

次の年くらいに会社を退社してしまいました」。


長井さん撮影のポートフォリオ

「お店は夢だと思っていた」
「最初はデザインの仕事をしながら、ネットで以前から集めていたレコードも販売していました。

お店を持つのは夢だと思っていたのですが、コロナの時に小平市が出している小冊子に、シェアスペースに日替わりで様々な店舗を出し活用している人たちがいるという記事を見つけたんです。

それを読んで、僕にもできるかなと考えが芽生え、運営の方に連絡をしたのです。

が…レコードって重たくて、場所移動や制限のあるシェアスペースではちょっと難しかった。

『倉庫のような場所で1日だけでもお店ができないかな』と話しをしたら、この地下の場所を紹介してくださって。

何もないがらんどうの地下室でした。

でも、その瞬間ここでお店ができるなと思い、すぐにオーナーさんに直談判しました」と当時を懐かしむ長井さんの声が弾む。

「デザインで自分の個性をだせた時の楽しさ」
「幸いなことに、ずっとデザインの仕事をさせて頂いているんですけれど、クライアントさんとのやり取りの中で『自分はこうだと思う』という案が気に入られた時は、楽しいし嬉しいですね。

今、携わっているプロジェクトのデザイン展開も、そんな感じで膨らんで繋がっていっています」と長井さん流のデザインの膨らませ方、楽しみ方を教えてくれた。

手ごたえを感じた。駆け出しの頃のアパレルメーカーの新ブランドインビテーションデザイン

自分で東京タワーを撮影してコラージュしたデザイン

「やっていきたいことはまだまだあって」
「デザイン、写真、販売はもちろんですが、音楽をやっていきたいです!

自分で作詞作曲など音源を作っています。

最近では立川で毎年10月に開かれている妖怪盆踊りのアフタームービーに、今年も僕の音源を採用していただけました。

曲名は『忍者節 NINJABUSHI』この音源には、歌はフレディさん(民謡クルセイダーズ、こでらんに~)ギターで民謡クルセイダーズの田中君と、お囃子でちゃんゆかさん(こでらんに~、民謡クルセイダーズサポート)が参加してくれて、あと僕が参加しているバンド『みんなーズ』がバックで演奏しています。

1 回目のスタジオ練習時に、スマホで録っておいた音源を少し音調整したモノです。

今『みんなーズ』はお休み中なんですが続けていきたいです」とこの先への思いを話す。

「みんなーズ」2007年結成。東京都福生市を拠点に現在活動中。現在少しお休み中

「目指す?」
「何かを目指してしまうと『そこだけ』になってしまう。

というより、自分が好きな事を目指すがために、本当にやらなければならない別のことなど目指すモノはボワんとある。

けど、その時がくるま常に温めておいたり、でもしなかったりで。

僕が関わった人たちが『ゴリポポさんの選曲はとてもいいから』『お店に合うものなど要望を訊いて持ってきてくれる』と自分が選んだものを気に入ってもらえ、次に繋がっていくことに嬉しさや面白さも感じるから、たまたま知り合えた人と共にすごすことも良いと思っています。

あとは自分の軸をしっかり持って、行き当たりばったりなところは多いにあるんですが、柔軟に進んでいけたらいいなと思っています」。

デザイン、写真、レコード販売、そして音楽制作への熱意。
長井さんの柔らかさの中にある「実現していく力強さ」が伝わってきた。

■ゴリポポレコード
Instagram:goripopo records(@goripoporecords)

(取材ライター: 高橋真理)