AR,TEE’S空間デザインhttp://www.artees.jp
[出身]東京都
[経歴] 代表伊藤卓義を中心に2000年設立。空間演出に関するトータルコーディネート、平面・立体物のデザイン、施工全般、グラフィック、ウェブ等のデザイン、企画からアート・ワーク全般を行う。
Artfact(文化的価値のあるもの)を Artistic(優れた技)で Expression(表現する)。
クライアントの希望イメージを汲み取り、それぞれに一番ふさわしい表現を考え、提案し、形にする。
「AR,TEE’S(アーティーズ)って、アトリエ見ただけだと何をしてる人たちなのか分かんないでしょ?」と代表の伊藤卓義さん。この日のアトリエは、アートワーク制作中のコーヒーショップの店内装飾用資材が入った段ボールが山積みだった。伊藤さんとスタッフの福本壱美さんが、テキパキと資材の仕分け作業を行う。 「でね、こんな感じのことをやっててね..」と、見せて頂いたのが、ショップや飲食店の空間や壁画、什器などの写真。
写っていたのは、日本だけではなく、フランス、イタリア、アメリカ、レトロやモダン、はたまた近未来といったイメージの、実に多国籍で多種多様の世界。下の写真はその中の1つで、イタリアンのレストランを、ポルトガルのレストランに改築するという案件のもの。同じ空間でも、色使い、装飾、照明、壁画などのあしらいの違いで、こんなにも変わるのだ。
AR,TEE’Sとは、Artfact(文化的価値のあるもの)を Artistic(優れた技)で Expression(表現する)の造語だ。「僕たちの仕事は、コンセプトや世界観を持っているクライアントの希望イメージを汲み取り、それぞれのオーダーに一番ふさわしい表現を考え、提案し、形にすることかな。」 と、伊藤さんはさらりと言葉にしたが、実際には、センスや知識だけではなく、ありとあらゆる世界観を具現化するための経験と技術、そしてそれぞれの分野に長けた人脈がないと出来ない仕事のはずだ。
石田倉庫には様々な分野の専門家がいるからね。こんなことも一緒にできました。
「石田倉庫には様々な分野の専門家がいるからね。仕事はもちろん、こんなことも一緒にできました。」と伊藤さんが見せてくださったのがこの写真。3.11の震災後、気仙沼で被災した商店へ看板を寄贈した時のものだ。 被災地に何か出来ないかと思っていたとき、アトリエ内の山上一郎(木とり)さんの紹介で出逢ったというこちらの商店は、建物も崩壊、従業員の方を亡くされるという辛い状況の中、復興に向けて取り組んでいた。
伊藤さんは「自分たちに出来ること=何かを表現すること。気仙沼港=出航、門出=大漁旗」という発想から、復興祈願の大漁旗をモチーフに看板を造り、直接現地にお届けしたと言う。
アトリエ内では、仕事の合間にそれぞれが、個人的な作品づくりも行っている。伊藤さんは、キャンバスに写真を印画紙を圧着させて油性ニスを塗った大きな作品を、福本さんは、銅版を直接刃物で削っていく作業が好きで、銅版でも特にメゾチント技法で作品づくりをしている。2015年の石田倉庫のアトリエ展では、店舗ブースの出店のほかに、これらの作品を展示した。
AR,TEE’Sが手がけた事例は、ホームページで見ることができる。ちなみに、毎週月曜日の朝にアップされるブログの担当は福本さん。銅版画の作品とも違ったテイストのイラストは、毎回ほのぼのとたのしい逸品なので、こちらもぜひ。