“世界へ、WEST TOKYOの魅力届ける” 立川と東京山間部一体となった取り組みがスタートhttps://tokyo-tachikawa.org/
一般社団法人立川観光コンベンション協会は3月18日、コトブキヤホールで「TACHIKAWA×WILDERNESS TOKYO MEETING」を開催。
立川の観光関連事業者の他、奥多摩、青梅、秋川渓谷、日の出から、また立川周辺の観光関連団体や企業等、約150人が参加し賑わいを見せた。
今後、同協会は立川市をゲートシティに見据え、互いの地域の魅力をつなぐ地域間広域連携によるインバウンドや観光施策を、より具体的に進めていくためのスタートを切った。
コトブキヤホール
民間による立川と東京山間地域の多摩地域広域連携による観光事業の推進を進め、事業者間の連携による未来へ向けた可能性を考える時間として企画した同イベント。
今回はその第1回として、次年度へ向けたインバウンド誘致のための地域間交流を図り、より相乗効果を生み出すタネを生み出すことを目的に催された。
当日、立川からは、立川市役所、立川商工会議所、立川市商店街連合会、立川市地域文化財団、多摩信用金庫、立飛ホールディングスなどのの他、ホテル運営会社や大型商業施設、交通事業者など約70人が参加。東京山間地域の観光ネットワーク「WILDERNESS TOKYO(ウィルダネス東京)」からは約50人が参加。ほか、立川周辺地域の観光協会や関連諸団体など30人が会場に集まった。
「WILDERNESS TOKYO」とは東京山間地域(奥多摩、青梅、あきる野、檜原、日の出、高尾)の観光事業者による広域連携組織で、民間事業者同士の連携により、様々な観光施策を積極的に行っている組織だ。
オープニングの冒頭、同協会の八木 敏郎会長は「立川観光コンベンション協会では、立川が多摩地域のハブとしての役割を果たすため、広域連携による観光施策を進めている。
立川はその入口“ゲートシティ”として、東京都西部の山間地域との連係を強化していきたいと考えている。
今日の会では、そんな山間地域で、観光事業を営む民間事業者の連携により、積極的な事業に取り組んでいる組織・ウィルダネス東京さんをお招きした。
1つの街だけで取り組むのではなく、立川にはない魅力を持つ各市町村と連携を強化することで、このエリアは大きな力を発揮する。
ご来場頂いた皆さんと一緒に、そんな多摩地域の秘めた可能性を肌で感じる時間としたい」と挨拶した。
あいさつする一般社団法人立川観光コンベンション協会・八木会長
会場提供に協力した株式会社壽屋・清水副社長は熱く立川への想いを語った
「立川とウィルダネス東京だからこそ提供できる体験を」
3人のパネラーが登壇したパネルディスカションvol1
「立川×山間地域⇒連携が生み出す大きな可能性」をテーマに行われたパネルディスカションvol1が催された。
パネラーとしてSORANO HOTELなどを運営する株式会社立飛ホスピタリティマネジメント取締役COOの坂本裕之さん、 WILDERNESS TOKYO・小澤酒造株式会社会長の小澤順一郎さん、一般社団法人立川観光コンベンション協会副会長の中川夕香さん、ファシリテーターに同協会事務局長の新海きよみさんが登壇し、それぞれの経験や立場などから、広域連携による可能性の想いが語られた。
北海道や京都など、全国の有名観光地で様々な取り組みを行ってきた坂本さんは、各地の現状の語り「立川は昭島市、青梅市、東村山市と隣接するだけではなく広く見れば、秩父や奥多摩や川越市、山梨方面のゲートウェイとして非常に大きなポテンシャルがある。 Japan Experience から“ Tachikawa Experience ”を提供できる商品化が求められる。民間だけではなく、産官学の一致団結が必要不可欠」と訴えた。
株式会社立飛ホスピタリティマネジメント取締役COOの坂本さん
長年、奥多摩や青梅の観光を見てきた小澤さんは「小澤酒造は、お酒をつくる工場だった酒蔵を、観光資源と捉えた日本で最初の酒蔵。
小河内ダムができ、奥多摩観光が盛んだった頃からなので、観光の取り組みを古くやってきた。
今は日本国内での競争にもなってきているため、この地域で『どういうお客さまに来てもらいたいかをイメージすること』『お客さまに何を持って帰ってもらえるか』を、真剣に考えた方がよい」と想いを述べた。
WILDERNESS TOKYO・ 小澤酒造株式会社会長の小澤さん
生まれも育ちも立川の中川さんは「旅行していると立川と奥多摩はすごく近い場所に感じるはず。
“立川が中心になることで多摩地域がひとつに見える”ということを立川の事業者も自覚して進めていくことが大切。
また、進め方としてまずお互いを理解すること。お互いの取り組みを知り、信頼関係を築きながら連携を生みだしていくプロセスが必要と感じている。
立川観光コンベンション協会がそのハブの役割を果たせるよう、これから取り組んでいきたい」と来場者へ意気込みを語った。
一般社団法人立川観光コンベンション協会副会長の中川さん
パネルディスカッション後、具体的な事例紹介として、昨年より立川を滞在地とした広域連携によるインバウンド誘客を行ってきた株式会社立飛ストラテジーラボ戦略企画本部の工藤寿哉さんが登壇。
「『TOKYO WEST SIDE プロジェクト3カ年計画』西の魅力を世界へ」と題し、これまで行ってきた、広域連携によるインバウンド施策や、旅行博の出店などで現地で体感した、具体的な事例紹介や次年度からの計画などが語られた。
現在の取り組みや今後の計画などを紹介する工藤さん
市町村を越えた連携で起こせる、新しい食の可能性
後半、「食べるってすばらしい!~国内外から客を招く、多摩の食の可能性~」と題し行われたパネルディスカッションVol2。
株式会社ミート・コンパニオン社長の阿部昌史さん、WILDERNESS TOKYOメンバーで小澤酒造株式会社社長の小澤幹夫さん、同じくWILDERNESS TOKYOメンバーで株式会社do-mo社長の高水健さんがパネラーとして登壇。
立川で6500人が集まる飲食コミュニティ「立川食べ歩き隊」の隊長で同協会プロデューサーの木嶋雅史さんがファシリテーターを務め、それぞれの想いが語られた。
飲食店に食材を提供する立場で、自身で飲食複合施設「GALERA TACHIKAWA」も開業した阿部さんは「このエリアの食の楽しさをみんなで演出し、体感してもらうことが大切」と想いを語った。
御岳渓谷で酒造りを行い仕事柄、数多くの国へ行き、実際に現地の人々に触れている小澤さんは「小澤酒造には”食”を目的に来てくれる方も多い。東京山間地域の食の価値をしっかりと伝え、帰りに立川で楽しんでもらえる関係が築ければ」と述べた。
秋川渓谷で複数の飲食店やキャンプ場を運営し、すでに外国の人からの問い合わせも増えているという高水さんは「秋川のアユは実は国内の評価も高いが知られていない。立川のGALERA TACHIKAWAさんなどと連携し多くの方に知ってもらい、西多摩エリアに足を運んでもらえる流れができたらとても嬉しい」と立川との連携に期待を込めた。
パネルディスカッションVol2に登壇した株式会社ミート・コンパニオン社長の阿部さん
パネルディスカッションVol2に登壇した小澤酒造株式会社社長の小澤さん
パネルディスカッションVol2に登壇した株式会社do-mo社長の高水さん
その後、今、東京山間地域で自治体とも連携し、取り組んでいる先進事例「西多摩から発信するWILDERNESS(ウィルダネス)な楽しみ方」が紹介された。
登壇したのはLNTJ(リーブノートレースジャパン)の常任理事で、多摩川でリバーアクティビティサービスを提供するASTROKE代表の柴田大吾さん。
地域の観光事業者たちが、次々と世界基準の環境倫理プログラムを導入し、持続可能な観光地づくりへ向け、新しい取り組みが盛んに行われている実例が語られた。
多摩川上流で行われている新しい取り組み事例を紹介する柴田さん
2部では「立川&東京山間地域の食の体験と交流の会」と題した交流会が行われ、これまで交流が少なかった事業者間で、活発な連携や交流を生み出された。
同協会事務局は「今回初めての試みだったが、立川の事業者はもちろん、東京山間地域の皆さんから多くの喜びの声をもらった。
立川周辺の観光関連団体からも期待も寄せられる中、今回のイベントをキックオフと位置づけ今後、より具体的な広域な地域連携につなげていきた。
まずは参加者からの様々な声を聞き、1つずつ具体化できる事業に取り組んでいく」と話していた。
◆一般社団法人 立川観光コンベンション協会
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(取材ライター:高木誠)