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PLAY! MUSEUM
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大ベストセラー絵本「大ピンチずかん」シリーズ

「大ピンチずかん3」書影 ©鈴木のりたけ/小学館
日々、子どもが出会う「大ピンチ」を遊び心いっぱいに紹介する絵本「大ピンチずかん」シリーズは、多くの共感と子どもへの愛おしさから評判を呼び、累計部数は270万部を突破。
その勢いはとどまることを知らず2025年7月、全国巡回展「大ピンチ!展」がスタートした。
初回の会場となった横浜では4万人超の動員数を記録し、SNSでも話題となっている。
4つの大ピンチを楽しむ!
本展では、4つのピンチが用意されている。
【みるピンチ】
1つ目は「みるピンチ!」。大ピンチが巨大化しても、じっくり眺めれば、面白く見えてくるかも。
「たおれそうなケーキの大ピンチ」や「いぬの大ピンチ」などが楽しめる。

「アイスの大ピンチ」まずい、アイスが溶け落ちそうだ!
【なるピンチ】
2つ目は、「なるピンチ!」。突然起こった大ピンチも、「発想を変えれば、遊びになる!」。
「大ピンチクモのす」や「トイレの大ピンチ」など、身体を使って体験できるコーナーだ。

「パンがくろこげ」。パンが焦げてしまったら、黒こげで絵を描いてみよう!

「トイレの大ピンチ」。トイレに人が入っていたら話しかけてみよう!
トイレから聞こえる声は、鈴木さん本人と息子さんの声が使われている
【かんがえるピンチ】
3つめは、「かんがえるピンチ!」。
「大ピンチってどういうこと?参加しながら考えてみよう!」。
「大ピンチバー」は、「だれが・どこで・なにを・どうした」の4種類の言葉を組み合わせて、オリジナルの大ピンチを生み出す大人気のコンテンツだ。
他にも、「大ピンチブロック」など、自分でピンチを発見し、それを来場者と一緒に楽しめる。


大人たちも思わず夢中になる「大ピンチバー」。前の人が作った大ピンチを、次の人が新たに生まれ変わらせることも
一期一会で来場者が作品を作る
【とびこむピンチ】
4つ目は、「とびこむピンチ!」。男の子が牛乳をこぼしたシーンを立体化したコーナー。
子ども達が大盛り上がりする展覧会最後のお楽しみの場だ。

内覧会で本当に飛び込んだ鈴木さん。どのコーナーも、面白さいっぱいで紹介してくれた
鈴木のりたけさんの創作のひみつを楽しむ!
PLAY! MUSEUM限定の特別展示では、デビュー作「ケチャップマン」(2008年/文芸ビジュアルアート、2015年復刊/ブロンズ新社)や名作「しごとば」シリーズ、「たべもんどう」(いずれもブロンズ新社)の原画が展示されている。
さらに、「大ピンチずかん」のラフスケッチや本展のメイキングスケッチも公開。

「大ピンチずかん」のラフスケッチ。試行錯誤して作られたことが分かる
「しごとば」シリーズを制作したきっかけは、子どもの頃に大好きだった“かこさとしの科学絵本”だという。
この絵本に影響を受けた「しごとば」シリーズでは、取材した仕事場のリアルを編集・再構築して、ひとつの画面を見るだけで面白さが伝わるように作られている。

「しごとば」シリーズ/《伝える人》新聞記者の原画
鈴木さんの経歴は、非常にユニークだ。
大学を卒業後、サラリーマン、グラフィックデザイナーを経て、絵本作家になった。

JR時代の鈴木さん/「一番の自慢(新幹線の運転席にて)」
常に新しいチャレンジを続け、試行錯誤しながら作品を作ってきた鈴木さん。
自分を表す一文字に「渦」と答えていた。

質問コーナー「鈴木のりたけに聞いてみた」
ミュージアムショップと本展図録を楽しむ!

ミュージアムショップでは、限定グッズも充実している。
その中でも、鈴木のりたけさんが自身の創作を語りつくしたインタビュー本「大ピンチを楽しむ」(ブルーシープ株式会社)は、本展を深掘りしたい人におすすめだ。
鈴木さんのこれまでの歩みや絵本作りの哲学など、「大ピンチずかん」シリーズのファンはもちろん、新しい価値観づくりに挑戦する人々へのヒントとエールになるだろう。
「そう、大ピンチなんて こわくない!」
本展内覧会の日、私自身も大ピンチに陥った。
洋服を表裏逆に着ていることに全く気づかず、取材を続けていたのだ。
それを会場にいた記者の方が教えてくれたのだが、「これもピンチですね!」とほほ笑んでくれた。
それは、まさに、大ピンチが交流に変わった瞬間だった。
「大ピンチずかん」シリーズのおかげで、大ピンチの乗り越え方を知っていたからこそ、落ち込まずにすんだのだ。

鈴木のりたけさんの本展開催に寄せてのメッセージ
鈴木さんが本展開催にメッセージを寄せてくれている。
―絵本のおもしろさを、さらに展覧会へと広げます。絵本原画やスケッチもプラス。
PLAY!で大ピンチを体験してください!―
絵本「大ピンチずかん」でみなさんと共有した「うん、それそれ!」や「わたしもあるある!」を、展覧会でも楽しみたい。
人が集まって互いに影響を及ぼしあう、リアルの場だからこそ生まれる価値ってなんだろう。
そんなミッションに立ち向かって、あれこれ考えること1年。ついに出来ました。
「見て」「触って」「考える」からおもしろい、大ピンチで思いっきり遊ぶ展覧会です。ぜひ体験して下さい!
鈴木のりたけ
PLAY! MUSEUM すずきのりたけ「大ピンチ展!プラス」プレスリリースより

©黒澤義教
■鈴木のりたけ「大ピンチ展!プラス」
会期:2025年10月8日(水)―12月7日(日)無休
開館時間:10:00-17:00(土日祝は18:00まで/入場は閉館の30分前まで)
入場料:一般1,500円/大学生1,000円/高校生800円/中学生600円/小学生600円**いずれも税込*未就学児無料
※詳しくはPLAY! MUSEUM公式サイトから: https://play2020.jp/museum/
◎平日限定の特典として、展示コンテンツにもなっている「へんなふくカード」を来場者にプレゼント!

「大ピンチ展!プラス」メインビジュアル ©鈴木のりたけ/小学館
PLAY! PARKを楽しむ!
PLAY! MUSEUMに併設しているPLAY! PARKでは、ロート製薬とのコラボ企画第2弾を開催中だ。
ロート製薬のメンソレータムブランド「薬用リップスティック」にスポットを当てたワークショップ・あそびを楽しめる。
■PLAY!PARK×ロート製薬「やさしいおせっかい」なあそび
開催期間:2025年10月25日(土)-2026年1月25日(日)
場所:PLAY! PARK
参加費:無料(別途PLAY! PARK入場料)
公式サイト専用ページ:https://play2020.jp/article/osekkai-asobi25/
(取材ライター: 岡本ともこ)