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トークイベント「ファーレ立川アート塾」開催

コトブキヤビル2階「Adam’s awesome PIE」で10月12日、トークイベントが開催された。

パブリックアートが点在する「ファーレ立川」区域のロゴをデザインした北川一成さんを塾長に、多岐にわたる専門家との対談、距離の近い学習・交流会を行い、より魅力的なファーレ立川の未来を考えるというトークイベント。今回、初の試みだ。

2018/10/12 (金) 2018/10/12 (金)
開催場所

東京都立川市緑町4-5

2018.10.22

ゲストは会場である壽屋ビルに本社を構える株式会社壽屋 国内営業部 砂野貴之さん。

19時30分から開始され、立川市民だけでなく、市外から30名ほどの男女が集まった。

軽食を食べながら、ビールなどのお酒を飲んだり、和やかに会はスタート。

 

司会より登壇者の紹介があり、まず壽屋の砂野さんから話があった。

 

壽屋の軌跡

立川で子ども向けのおもちゃを販売する玩具店から、今ではJASDAQスタンダード市場へ上場へと躍進した壽屋。1990年代に「新世紀エヴァンゲリオン」ブームによりフィギュアブームの火付け役を担った。

会社として大きな飛躍があったのが、「スターウオーズ」でのアイテム、「ライトセーバー」のお箸「ライトセーバーチョップスティック」の大きなヒットがあったことだという。ジョージ・ルーカスと代理店を通さず、直接取引しているのは壽屋だけ。これもフィギュアで実績をつんでいたということが評価されたのだ。

今の新社屋は2016年に竣工。病院や学校のある地域に共存し、1階にあるショップやカフェではオリジナル商品が手に取れる。

お客様が喜ぶ商品づくりを社員も楽しみ、良い環境でのスパイラル効果をイメージしているそうだ。

 

お客様のニーズの半歩先をいく営業

「お客様がほしいものというより、気づいてないものを形にする」。

次々と興味深い話が出され30分ほどの時間はあっという間に過ぎた。参加者は頷いたり、メモをとったり思い思いに話を聞いていた。

 

GRAPHとファーレ立川

休憩をはさみ、北川さんの話が始まる。

阪神淡路大震災後、関西より東京進出をはたした北川さん。「水やごはんは必要だけど、生きる上で力をもらえるのは芸術だ」と語る。

今話題のロボットが接客をする「変なホテル」のプロデュースしたのも北川さん。デザイナーとして日本のみならず、世界でも活躍し、唯一無二のデザインで人々を魅了している。

今回のトークイベントでは北川さんの希望で参加者とディスカッションが行われ、砂野さんと学生時代の話や入社経緯、プライベートな話までと、2人の会話のキャッチボールが始まった

 

 

「ファーレのロゴはすごいデザインだ。真四角で原色、普通なら恐くて出来ない、目をひきインパクトがある。」と砂野さん。

「文字の部分は、わざとダサくした。主張せず、とらえる側が議論をすることでコミュニケーションを誘発させたい。立川をしらない私がロゴをデザインしたが、案外自分の事はわからないもの。デザインは洗練されてかっこいいものばかりではない」と北川さんは制作の経緯を語った。

街の人々のロゴから始まる議論から街の発展が望めるのではないかと。

何人かの参加者から質問があり、二人で回答する時間がとられた。立川のイメージについて北川さんは、「戦後熟成せずに忽然と出来た町。自分が学生時代を送った筑波と似ている」。
成功と失敗の線引きはどこかについて「成功の影には失敗があるのが普通。何年かの間にお客さんにインパクトを与える商品がでれば。失敗は成功への宝の山。いいときばかりではずっと続かない。失敗でどう学ぶか、何を学ぶか。転ばぬ先の杖はもつな」と答えた。

質問者の中には、「立川には女子力が足りないのではないか」との声があがり、これに北川さんは「女子力につながるかどうかだが、若い人が集う街、いろんな経験を持つ場があればいいのでは。街に若者を引き入れる、引っ張ってくる。若者が間違えてたり出来ること、そこから精神的な痛みを理解してこそ人間力が培われる」と優しく答えた。

その後、「Adam’s awesome PIE」の自慢のアップルパイが出てお開きになった。

 

より魅力的な立川の街作りを考える上で、ファーレ地区の発展が欠かせない。春と秋に行われるアートミュージアム・デー芸術の秋にふさわしい一日となった。

この取り組みは始まったばかり。立川を広く世界に発信していく役割でもあるトークイベントは、これからも開催されていく予定だ。これからのトークイベントに注目してほしい。