年間来園数430万人 国内最大級の国営公園
国営昭和記念公園
東京のみならず、今では日本を代表する国営公園の1つとして多くの入園者が訪れる国営昭和記念公園。
昭和天皇御在位五十年記念事業の一環として国が設置した同園は、総面積は180ヘクタールと広大な敷地を有し現在、約95%の169.4ヘクタールが一般に開園されている。
豊かな緑につつまれ、広い公共空間と文化的施設を備えた同園は、様々な人々の努力により四季折々の美しい景観を見せ、訪れる人々に憩いの時間を提供している
立川基地の返還より始まった壮大な公園設置計画
同園の敷地には戦前、陸軍飛行場があった。戦後、米軍に旧陸軍施設を接収されたが昭和52年、立川基地の全面返還が実現すると国は、その敷地の一部を国営公園とする計画を始めた。
基本問題懇談会、調査事務所がそれぞれ発足し昭和54年、基本理念および基本方針を策定。同年、国営昭和記念公園の設置が閣議決定され昭和58年、ついに敷地の70ヘクタール(現在のみんなの原っぱ、花木園、ふれあい広場)を対象とした第一期開園が行われた。
その後も昭和60年にレインボープール南口、昭和61年に水鳥の池、水遊び広場、渓流広場、昭和63年にうんどう広場、平成1年にバーベキューガーデン、パターゴルフ場、平成2年にスポーツエリア、林間広場、平成4年にこどもの森全面、平成9年に日本庭園、平成11年に残堀川緩傾斜部、平成16年に日本庭園内に盆栽苑、平成17年にみどりの文化ゾーン、平成19年にこもれびの里、平成23年に花の丘と、一般に開園される敷地を広げ、現在の多様な景観、体験が楽しめるエリアとなっていった。
四季折々、美しい景色が園内を彩る
同園でも最も人気なのが、四季に合わせ公園を彩る、多様な品種の花々。季節の訪れと共にテレビ、ラジオ、雑誌など数多くのメディアでも毎年とりあげられる。
代表的なものとして春にはフクジュソウ、ウメ、サクラ、ナノハナ、チューリップ、ツツジ、ポピー、フジ、スイレンが、夏にはハナショウブ、アジサイ、サルスベリ、ヒマワリ、サギソウが、秋にはキンモクセイ、コスモス、モミジやイチョウの紅葉、サザンカが、冬にはソシンロウバイ、フクジュソウ、ウメが咲き、その群生量も国内随一のものが多い。
また年間を通じて多種多様なイベントや体験企画が行われることでも注目を集め、春の「フラワーフェスティバル」や夏の「サマーフェスティバル」、秋の「コスモスまつり」および「黄葉・紅葉まつり」、冬の「ウィンタービスタイルミネーション」などが毎年行われ多くの来場者で賑わう。
他にも様々な団体、企業などによるクラフト体験や、自然体験、スポーツ、ヨガ、セグウェイツアーなど体験企画が毎月企画されるなど、バラエティーに富んだイベントも人気を呼んでいる。
スタッフ、市民の想いによって支えられる公園運営
こうした広大な敷地を持つ国営昭和記念公園の管理運営は一筋縄ではない。同園スタッフ以外にも、市民による多くの公園ボランティアスタッフが同園を支えている。
園内のガイドを行うボランティアや、こもれびの丘・こもれびの里・こどもの森・花みどりの文化センターなどのエリアや施設を管理補助するボランティア、野鳥ボランティアやサギソウボランティア、オランダの花の会など、19のグループが同園の魅力を伝え、守っている。
公園広報の鈴木さんは「5年以上いてもどんどん新たな魅力を発見できる懐が深い公園。きっとスタッフやボランティアさんたちも同じ思いでお客様の笑顔に出会えるのを楽しみにしていると思います。」と、その魅力を語る。
こうした人々の努力によって守られた昭和記念公園には多摩地域はもちろん都心部、近隣県から年間約430万人が訪れる。その規模・内容は日本はもとより、国際的にも有数な公園としても今、大きな期待が集まっている。
◆国営昭和記念公園管理センター
東京都立川市緑町3173
TEL042-528-1751
http://www.showakinen-koen.jp/