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技術、創造力で、1店の玩具店から世界中を魅了する企業へ

株式会社 壽屋

戦後まだ間もない時代、立川に一軒の玩具店があった。

その店はやがて、類まれな想像力、技術力で商品を開発し続け、世界中から注目を集める企業になる。

それが株式会社壽屋(ことぶきや)だ。

2019.11.25

1店の玩具店に、多くの才気あふれる人々が集まった

創業者、清水一郎社長は昭和28年、東京都立川市に節句人形と玩具を扱う小売店「有限会社 壽屋」を設立した。

場所は曙町のJR立川駅北口の線路沿い。旧第一デパートがあった場所だ。

当時の店舗の模様

 

ある日、貨物列車が線路をはみ出し暴走。一帯が火事で焼失する不運な出来事で、店を閉じることとなった。

周辺の商店店主たちは復旧へ向けた施策として、第一デパートの立ち上げに尽力。昭和42年、新たに第一デパート内に「人形と玩具 壽屋」として再出発を切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真左)壽屋二代目・清水一行社長  

昭和61年、二代目・清水一行氏が社長に就任。時代の流れと共に、地域一番店を目指し続けた同社は、節句人形の販売をとりやめ、プラモデル販売の業態へと一新。プラモデル用の塗料や画材の取り扱いも始めた所、近隣の美大生を中心に、時代の感度の高い人々が店舗に集まり始めた。

やがて国内外の最新情報が店舗に集まるようになる中、模型愛好者の中で話題になりつつあった1つの商品に出会う。
それが「ガレージキット」だった。

ガレージキットとはシリコンでパーツを複製して量産する、無発泡ウレタン樹脂でできた模型キット。海外ではガレージなどを作業場とすることが多く、ガレージキットと呼ばれていた。

同社はこの自社製品の開発に着手。現在の壽屋の技術力は、ここから始まった。

 

職人同士の熱い想いが、精巧な技術を培う

1980年代、第一デパート内にあった店舗

 

当時は店舗の裏で製造をしていたため、客が求める商品が品切れだった際も、すぐに裏でパーツを作って「アツアツの状態」で販売するなどし、愛好者も次第に集まるようになる。

業界の有名人を審査員に招いて模型コンテンストも毎年、開催。コンテスト参加者の中には、類まれな才能の持ち主も多く、同社とタッグを組んで次々と商品化を始めた。


当時、製造を行っていた立川工場

専門誌に広告を掲載し、ガレージキットを販売する中、いくつかのアニメ制作会社からの問い合わせも増える。
そんな中、とある会社から「一緒に仕事ができないか」との問い合わせが入った。

同社はこれを快諾。それが壽屋の技術力を、関連業界に一挙に広めた「エヴァンゲリオン」の「綾波レイ」「エヴァンゲリオン初号機」のフィギュア制作だった。

職人気質だった同社と同じく、こだわりの強いアニメ制作チーム。互いに刺激し合い平成7年、ハイレベルな製品が誕生。フィギュアブームの火つけ役となった。

各種他業界からの注目も高まり、スクウェア・エニックス社の人気ゲーム「ファイナルファンタジー」のフィギュアの制作も。
このゲームはすでに海外での人気も得ていたので、海外のゲーム、アニメ愛好家の間でも壽屋の技術力が口コミで一気に広がっていった。

壽屋の挑戦は、やがて世界中を魅了していく

次に噂を聞きつけたのが、米国の映画、コミック出版社。平成13年には「スター・ウォーズ」シリーズで知られるルーカスフィルム社から、コレクター向け商品のライセンスを取得。

平成17年には「バットマン」で知られるワーナーブラザーズ社からライセンス取得。平成19年には「アベンジャーズ」「アイアンマン」で知られるマーベル社とライセンス提携し、同社キャラクターフィギュアの世界展開を果たす。

こうした実績が世界中でも評価され平成21年には、世界60か国以上の中から、ワーナーブラザーズ最優秀ハードライセンス賞を受賞。トヨタ、ユニクロに並び5部門中3部門を日本企業が獲得する快挙も果たした。

アニメ「フレームアームズ・ガール」 

©KOTOBUKIYA / FAGirl Project

平成28年、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場へ上場を果たし、現在は、新たに自社企画のキャラクターを開発。アニメーション作品も製作するなど、その場にとどまらず常に新しい挑戦を続けている。

 

「立川に生まれ、立川に育てられた、その恩返しをしたい」

 

 

世界で注目を集める壽屋だが、多摩都市モノレール沿いの立川に平成27年、自社ビルを建設。
現在の清水一行社長の「立川に生まれ、立川に育てられ、立川で商売をさせて頂いてきた」という、強い想いがあるからだ。

創業の地、立川のスポーツや文化の発展を支援するため、様々な取り組みも行っている。

毎年3月に行われる「立川シティハーフマラソン」には、平成25年から特別協賛を行い、仕事も走りもできる宣伝ランナー・稲田翔威選手を擁する、実業団陸上部「コトブキヤ陸上部」も設立した。

立川商工会議所、立川商店街連合会、立川観光協会、立川青年会議所などの市内経済団体が立ち上げた、地域密着3×3プロバスケットチーム「立川ダイス」へも設立当時から、ユニフォームスポンサーを務めている。

平成30年には、市内の子どもたちが夢を形にする事業を資金面で支援する市民団体「ウドラ夢たち基金」の代表に同社副社長・清水浩代氏が就任。立川市と協力を行うなど積極的な提携なども新たに始めた。

壽屋は常に新しい未来に目を向け、立川に根付き、そして常に世界へ感動と驚きを提供し、注目を集め続ける創造企業だ。

◆株式会社 壽 屋 (KOTOBUKIYA CO., LTD.)

本社:立川市緑町4-5 壽屋ビル TEL:042-522-9810(代)

https://www.kotobukiya.co.jp/