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Lumi:Lumi / 廣部 雅之 : HIROBE MASAYUKIKlang & ひろべかばん

心地よい天気の週始め。
JR西国分寺の駅からほど近い場所にある「Klang & ひろべかばん」の工房を訪ねた。

半地下にある工房の扉を開けると、真鍮(しんちゅう)作家のLumiさんと革職人の廣部雅之さんが笑顔で迎えてくれた。

2026.04.21

左 : Klang工房 右:ひろべかばん工房

「意気投合から始まったシェア工房」
「もともと、別々に活動していて。各地で開催されるイベントの出店で顔なじみだったんです」とLumiさんが話し始める。

「僕、真鍮が好きで。彼女の作品を面白いな、と購入したりしていたんです。

彼女も革が好きで、話しているうちに好みや考え方がとても似ていることがわかって、夢である工房ができたらと意気投合してね」と廣部さんが答える。

穏やかな会話のテンポから二人の人柄が伝わってくる。


廣部さんが購入したLumiさんの作品

 

「Lumiさんがモノを作り続けていく意味」
「職人さんや美大を出た人たちとは違って、突き詰めるというより『ものを作る』ということが、ただただ好きだったんです。

その延長でやってきた、そんな時にイベントで飯田章さんというガラス作家さんと出会い、飯田さんが工房で開いていた教室で色々教えていただいたんです。

その教室で時計の作り方も教えていただきました。

時計ってシルバーだったり真鍮だったり金属を使うんですけれど制作の過程で金属って面白いなって感じたんです。

その後、時計も含めオブジェなども作ったのですがアクセサリーもあったら面白いなと思い、アクセサリーを作り始めました」。

当時アクセサリーの主流はシルバーで、アンティークな風合いの真鍮はあまり使われていなかったため、独学での試行錯誤だったとLumiさんはいう。

「しかも私、アクセサリー自体そんなに興味がなかったですよ(笑)。

思い返すと、アクセサリーを作り始めたら喜んでくれるお客様が増えていったんです。

真鍮が珍しかったのもあるかもしれないんですけれど、質問のやり取りも増えていきました。

ある時『真鍮ってなんですか?金ですか?』と聞かれ『輝くもの必ずしも金ならず』という言葉を思い出し、アクセサリーに言葉を入れ始めたんです。

そうしたら『こういう言葉も入れられますか』と聞かれたり、『言葉を贈りたいんです』と誕生日ごとにオーダーを頂いたりして、言葉をお守りとして傍に置いてもらえることに嬉しさを感じ始め、お客様の人生に寄り添うモノを作っていけることが『私がモノを作っていく意味』なのかなって思えたんです」と作り続けてきたことや、続けていくことへの心内を話す。

言葉が刻まれたバングル: Klang

Lumiさんが作ったネームプレートと廣部さんの作った名刺入れ

刺激し合うことで生まれる楽しさが心地よいという。

「水が合ったモノ作りの環境」
「もともとオートバイが好きで乗っていたんです。

革の世界に進んだのは、オートバイのサドルバックを革工房にオーダーしに行ったことがきっかけでした。

こんなところで働けたらいいなと思ったんです。

僕は当時、マネキンを作りたくてマネキンを作っているディスプレイ会社にいたんですが、営業に異動との辞令がでるということを知って、モノ作りがしたかったので会社を辞めて、すぐにオーダーをしに行った革工房に転職をしました。

タイミングもよかった。その工房で革の扱い方や鞄の作り方を学びました。

それまで散々ジタバタして、いろいろとやってきたんですけれど『やっとやりたいことに巡り合えた』と感じられた。

しっくりきたというか。

工房に14年勤め、それから独立しました。

作ることができていることはもちろんなのですが、お客様ができ上ったモノを手に取った時の、喜んでくれている顔をみると自分の喜びや励みになります」と廣部さんの顔がほころぶ。

お客様の「あったらいいな」で定番になったコインケース

 

節目節目に感じること」
「イベントが主体だったので、工房をもっていない時間が長かったのですが。

この工房というか場所ができてから、保育園の卒業記念を頼んでくれた子供たちが、小学校の卒業記念におそろいのモノを頼んでくれたり、お小遣いを握りしめて鉛筆キャップを買いに来ていた小学生だった男の子が、就職の記念にと名前入りの名刺入れを頼んでくれた。

成長や人生の大切な時に頼んでくれる。

場所があったからこそですよね。

時と共に寄り添えることがとても光栄だし冥利につきます。

それに大切に使ってくださるからこそ、後に残っていくものを作り続けたいです」と二人は話す。

Lumiさんと廣部さんが、お客様と過ごしてきた時間と工房への思いが伝わってくる。


工房入り口にある革のプレス機械は大人も子供も夢中になる

廣部さんオリジナルリュック

廣部さんが作った、Lumiさんの推しのコアラのポーチ

二人に今後の夢はと尋ねると「風通しの良い住居兼工房を持つこと」と明るく声をそろえた。

Lumiさんと廣部さんの「自分自身の作りたいモノ」と「お客様との会話から生まれるモノ」。
爽やかな風が吹き抜け、訪れる人々と共に時を刻んでいく工房の姿が目に浮かんだ。

■お問い合わせ
HP:Klang /ひろべかばん 
FB:Facebook (Klang) / Facebook(ひろべかばん)
Instagram:Klang (@klang_lumi) /ひろべかばん(@hirobekaban)

(取材ライター: 高橋真理)