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昭島に誕生した人とまちをつなぐ“みんなの居場所“ 

イーストテラス・サブスリー

2025年12月1日、昭島市玉川町に、市民が気軽に集い、学び、語らい、活動できる新しい拠点「イーストテラス・サブスリー」がオープンした。
JR東中神駅から歩いて約8分、住宅地の中に現れたガラス張りの建物。
明るく開放的なその外観は、まるでカフェに立ち寄るように様々な公共施設を利用できることを象徴しているかのようだ。

2026.01.20

お話を伺った (右)企画部 市民総合交流拠点施設建設担当課長 石川 真利子さん (左)企画部 企画政策課 市民総合交流拠点施設建設担当係長 藤田 優貴さん

まちの縁側のような公共空間
通りに開かれた大きな窓が、施設の内と外をゆるやかにつなぐ。

「イーストテラス・サブスリー」は、昭島市の東部に誕生した市民総合交流拠点施設で、名称は一般公募とネーミングライツにより名付けられたものだ。

市民や企業、団体が自然に集い、交流を育む場として、また、さまざまな機能を集約した“まちのハブ”として、昭島の日常を支えていく。

 
市民図書館東部分館(1階)、東部地域包括支援センター(1階)、東部出張所(1階)、昭島市商工会(2階)、昭島市勤労市民共済会(2階)など市民に必要な場を集約した複合施設だ 

1階中央には昭島の地下水が飲める給水スポットもあり、昭島らしさを感じられる  

昭島市民総合交流拠点施設 イーストテラス・サブスリー|フロアマップ

 
秘密基地のような雰囲気が漂う地下には免震装置が並ぶ  

見えないところで様々な最新設備が市民の安全をしっかり支えている

建物には免震構造が採用されており、万が一の災害時にも安全性に配慮したつくりとなっている。

普段は目にすることのない備蓄倉庫も備え、災害時には避難所や市役所の機能を補完する拠点としての役割が想定されているのだ。

スペースの可能性をみんなで考える
館内には、用途に応じて使い分けられる複数のエリアが設けられており、地域活動拠点としての高い柔軟性が特徴だ。

市民の声に耳を傾けながら、スペースの可能性を少しずつ広げていく姿勢も、この施設ならではの魅力といえる。


会議、イベントや講座、パーティなど多様な用途に対応できる多目的スペースを7部屋備え、ケータリングサービスの利用も可能 

バレエやダンスなどの軽運動に適した、大きな鏡を備えた部屋もある。テレワークブースは人気だそう  

イーストテラス・サブスリーの利用について|昭島市

打ち合わせや自習に使えるコモンスペースや気軽に立ち寄れるフリースペースなど、用途に応じた居場所が揃う。

夕方には近隣の高校生が自習に訪れるなど、すでに地域の日常に根づき始めている。

多摩産材(とうきょうの木®)を使ったインテリアも、空間にやさしい温もりを添えている。 


作業や休憩、勉強や仕事など、目的に縛られず自由に使える飲食可能なフリースペースが館内に点在している 

夕方には近隣高校の生徒たちが自習に訪れる学習コーナーは吹き抜けに面し、開放感がある 

外に開かれたテラスエリアや、カフェスペース。

それぞれの空間に共通するテーマは、「誰もが自由に、居心地よく過ごせること」だ。


「カフェ  ル・リーブル」は中神駅北口にある「BOOK CAFE マルベリーフィールド」の系列店 

コンセプトは、「本と人と学びが出会う、どなたでも立ち寄れるカフェ」。ガーデンスペースでは自然を楽しみながらのんびりくつろげる

市民と一緒に迎えた開館の日
11月22日には、内覧会と開館イベントが行われ、沢山の人で賑わった。

この開館イベントを作り上げるワークショップに多くの市民が7月から参加し準備をしたそうだ。

参加者は3つのグループに分かれ、それぞれのテーマで活動を展開。

将来的に「アキチクラブ」という市民活動としての役割を担う未来図を描いている。


企画から制作、当日の運営に至るまで、市民が自発的にアイデアを出し合い、協力して開館イベントを盛り上げた 

市民が主体となって施設の“最初の一歩”を踏み出したその光景は、まさに「みんなでつくるみんなの居場所」の理念を体現していた 

note イーストテラス・サブスリー公式「開館イベントレポート」

館内の“推しポイント”4つ
この施設は、細部にわたり地元の資源や工夫がさりげなく散りばめられ、“昭島市らしさ”がぎゅっと詰まった空間といえるだろう。

① 地下100 mの土から生まれたレンガ壁
施設エントランスでは、地中熱を利用した空調設備の整備により出た地下100 mの土を材料に制作されたレンガが正面壁に配置されている。

これは、レンガづくりワークショップ参加者による制作物として生まれたもの。

カラフルなレンガ群は、館内に「市民が育てた空間の証」を残している。


2月には再度、レンガを活用した子どもガーデンづくりワークショップを開催予定だそうだ 

前回の様子:レンガづくりワークショップを実施しました|イーストテラス・サブスリー

② 昭島の資源を活かすサステナブル設計
地中熱を活用した空調設備が組み込まれており、「あきしまの水」(昭島市が都内で唯一、深層地下水で全てを供給している水)を冷暖房の熱交換に利用している。

駐車場にはEV充電器を設置。吹き抜けから見える空調パネルも内部空間のデザイン要素として印象的だ。

環境に配慮しながら、市の資源を活かす設計がなされている。
 
「あきしまの水」を活用した放射冷暖房設備を採用し、夏はひんやり、冬はじんわりとした温もりを感じられ、冷暖房が苦手な人にもやさしい室内環境を実現している

屋上の太陽光パネルは反射を抑える仕様とし、近隣住宅への配慮も欠かさない 

さらに、省エネルギー性能の高い建築としてNearyZEB認定を取得するなど、環境への取り組みもこの施設の大きな特徴だ 

イーストテラス・サブスリーの環境配慮の取り組み|昭島市

③ 子どもの好奇心を誘う図書館・キッズエリア
館内1階に位置する「児童書コーナー・遊具エリア」と、1階から2階へと続く“こどもエレベーター”。
キッズコーナーは「遊び」と「読書」を近づける工夫が随所にちりばめられ、雨の日でも子どもが安心して過ごせる場所として人気を集めている。


その他、授乳室や給湯室もあり、親子で安心して楽しめるよう様々な工夫がされている

④ 学びとくつろぎを両立するブックカフェ
JR中神駅前のブックカフェ「マルベリーフィールド」がプロデュースする「カフェ ル・リーブル」は、館内の図書館とも連携したブックカフェ。

注文した品には栞(しおり)が添えられ、あきしまの水で淹れたコーヒーを片手に読書を楽しめる。

テイクアウトし、館内のフリースペースで味わえるのも、この施設ならではのうれしいポイントだ。


ドリンクだけでなく、モーニングや日替わりランチも用意されており、毎日訪れても楽しめるのが魅力 

なかでもサンドイッチはどれも絶品なので、淹れたてのコーヒーと一緒にぜひ味わってほしい 

Le-Livre |

昭島の「のびしろ」をみんなで広げる場所
イベントやワークショップ、子ども向けの活動など、使い方は市民のアイデア次第。

この施設の大きな特徴は、使い方を市民自身が考え、実現していける点にある。

「自分たちのまちを自分たちでもっと楽しく!」という想いを、誰もが形にできる場所、それがこの施設の目指す姿だ。

昭島市民総合交流拠点施設 イーストテラス・サブスリー|アキシマのアキチ


蔵書数は約25,000冊 セルフ貸出機・除菌ボックス完備の図書館  

キッズチェアもあり、親子でも安心して本を楽しめる  

窓際の読書スペースは居心地がよく、読書に集中できそうだ

1階には「昭島市民図書館 東部分館」もあり、図書館と連携した学びのプログラムや読書会の展開も期待されている。

子どもたちがキッズスペースで元気に遊ぶ様子をみながら本を片手にテラスで過ごし、ここで顔なじみになった人々とコーヒー片手に語り合う。

そんな昭島の日常が少しずつ広がっていくだろう。


日当たりのよい3階のギャラリー 

晴れた日、ルーフバルコニーからは富士山が美しく見えることも 

3階のギャラリーは今後、書道展などが予定されているそうだ。

取材時はこの施設が完成するまでの軌跡の写真が展示されており、完成までの過程をじっくり見ることができた。

思い出の地に、新しい物語がはじまる
「イーストテラス・サブスリーは、市民の皆さんと一緒に昭島の未来図を描いていく拠点。

やってみたいことを気軽に試せる場として、“アキチクラブ” 昭島市民総合交流拠点施設 イーストテラス・サブスリー|アキシマのアキチなどの取り組みを通じ、人と人、人とまちが自然につながっていくことを目指しています」。 

計画段階からこの施設づくりに携わってきた石川さんはそう話す。

居場所づくりプロジェクトとして、今後も体験型防災ツアーやコーヒーのブレンドワークショップなどの開催を予定しているそうなので要チェックだ。


多くの市民に親しまれ、数えきれない思い出を刻んできた旧昭島市民交流センター(元福祉会館)。

その記憶を土台に、新たな役割をまとった伸びしろだらけのみんなの居場所は、昭島のこれからを静かに支え、次の時代へとバトンをつないでいく拠点となっていくだろう。

■イーストテラス・サブスリー
所在地:昭島市玉川町4丁目9番22号
アクセス:JR東中神駅より徒歩約8分、JR青梅線「中神駅」南口より徒歩約7分
開館時間:8:30〜21:00 ※東部出張所は8:30~17:15 ※会議室の貸出は9:00〜21:00
駐輪場:あり
駐車場:あり(30分まで無料)
公式サイト:https://www.akishimanoakichi.jp/
公式インスタグラム: イーストテラス・サブスリー(@eastterrace_aki) • Instagram写真と動画
問い合わせ:042-519-1788

(取材ライター:西野早苗)